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【新発見】バイアグラが認知症に効果アリ

[2022.02.11]

◆目次◆

  • はじめに
  • バイアグラで認知症リスク7割減
  • 認知症は大きな社会問題
  • バイアグラは "陰茎" だけでなく "脳" にも効く
  • 【院長考察】バイアグラのイメージ転換

 

記事のまとめ

①バイアグラは、アルツハイマー型認知症の発症リスクを69%下げた

②将来、バイアグラが認知症の治療薬として使用される可能性がある

 

はじめに

こんにちは、神戸三宮バッファローEDクリニック院長です。

2021年12月に「バイアグラが認知症の治療に有効」という趣旨の論文が発表されました。
バイアグラが認知症に効果があるというニュースは、とても興味深いと思います。

認知症が社会問題となっている日本にとって、
バイアグラは救世主になるのではないでしょうか。

バイアグラで認知症リスク7割減

2021年12月にアメリカの科学雑誌 "nature aging" で非常に興味深い論文が発表されました。

 

 

主任研究者のFeixiong Cheng博士は、
723万人の医療保険の請求データを調査し、下記の結論に至りました。

「バイアグラを飲んでいる人は、飲んでいない人と比べて、6年間でアルツハイマー病を発症するリスクが69%少なかった。」

ED(勃起不全)の治療薬であるバイアグラが、認知症にも効果があったことは非常に興味深いと思います。

認知症は大きな社会問題

増え続ける認知症患者

高齢化社会の日本では認知症は社会問題になっています。

認知症患者数は年々増加傾向であり、
2025年には700万人、高齢者の5人に1人になると言われています。


引用)内閣府「高齢社会白書(概要版)」

アルツハイマー型認知症の症状

アルツハイマー型認知症は認知症の約7割を占めます。
徐々に進行する認知機能低下が特徴です。

物忘れから始まり、次第に認知機能が低下し、自立した生活が困難になります。
最終的には、寝たきりとなってしまうこともあります。

引用)エーザイ「相談e-65」

アルツハイマー型認知症の原因

加齢とともに脳に蓄積する "異常なタンパク質(アミロイドβ、タウ蛋白)"が原因と言われています。

引用) Proceedings of the National Academy of Sciences Jul 2006, 103 (30) 11172-11177; DOI: 10.1073/pnas.0603838103

 

難航する新薬の開発

アメリカのバイオジェン社と日本にエーザイが「ADUHELM(アデュへレム)」という薬を開発しました。

アデュへレム

引用)バイオジェン・ジャパン

ADUHELM(アデュへレム)は初のアルツハイマー病根本治療薬で、
脳内に蓄積した異常は蛋白を直接減らす作用があります。

2020年にアメリカの食品医薬品局(FDA)が、ADUHELM(アデュへレム)の使用を承認しました。

しかし、保険適応外高額(発売当初は年間600万円)といった理由が原因で一般的には広まっていません。

ちなみに、ヨーロッパの欧州医薬品庁、日本の厚生労働省はADUHELM(アデュへレム)の使用を承認していません。

バイアグラは ”陰茎" だけでなく "脳" にも効く

引用)ヴィアトリス製薬

主任研究者のFeixiong Cheng博士らは、既存の1600以上の医薬品を徹底的にスクリーニングし、
アルツハイマー型認知症に効果がある医薬品を研究しました。

そのでアルツハイマー型認知症に効果のある医薬品の候補として上がったものがバイアグラでした。

患者から培養した細胞にバイアグラを暴露させると、
認知症の原因である異常なタンパク質(アミロイドβ、タウ蛋白)の沈着が抑制されました。

また、動物実験では、バイアグラ投与による記憶力の向上が認められました。

【院長考察】バイアグラのイメージ転換

今回ご紹介した論文は、バイアグラがアルツハイマー型認知症の発症リスクを約7割下げ、
今後認知症の治療薬として期待されるという内容でした。

認知症の治療薬として承認されるためには、今後さらなる研究が必要です。
しかし、ここ論文でバイアグラの無限の可能性が示唆されたと考えます。

バイアグラはED(勃起不全治療薬)であると認識されています。
一般的にあまり知られてませんが、実はバイアグラは他の使われ方もされています。

バイアグラはもともと心臓の薬(狭心症薬)として開発されたものでした。
バイアグラの主成分であるシルデナフィルは、肺高血圧症の薬としても使用されています。

引用)ヴィアトリス製薬

「バイアグラ=ED薬」という一般的な認識は今後変化していくと考えます。
バイアグラの認知症に対する効果の研究がすすめば、世間からのバイアグラの認識は変わり、
バイアグラの閉鎖的な風潮も少しは改善するのではないでしょうか。

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