【EDクリニック院長が解説】バイアグラ保険適応はED患者の救いになるか?
◆目次◆
・はじめに
・ついにバイアグラが保険適応に
・注意!バイアグラ保険適応は不妊治療保険診療化の伴う対応
・依然定まらない施設要件や処方条件
・【院長考察】バイアグラ保険適応が世の中に与える影響
・まとめ
はじめに
みなさん、はじめまして。
神戸三宮バッファローEDクリニック院長です。
昨日(2022年2月2日)に厚生労働省から衝撃的な発表がありました。
バイアグラの保険診療化!!
「バイアグラが3割負担で買える!」
そう考えた人も多いのではないでしょうか。
少し落ち着きましょう。
そう単純な話ではなさそうです。
EDクリニック院長がバイアグラ保険適応について、分かりやすく解説します。
ついにバイアグラが保険適応に
2022年2月2日に厚生労働省からバイアグラの保険適応が発表されました。
バイアグラとは勃起不全(ED)の治療薬です。現在、バイアグラは保険適応外で、自費診療です。
自費診療から保険診療に変わると、お薬の負担額は「10割→3割」になります。
例)当院でバイアグラ錠25mgを購入した場合
自由診療(10割負担) | 保険診療(3割負担) | |
負担する金額 | 1400円 | 287円 |
1錠あたり、 1400円 - 287円 = "1113円" も安くバイアグラを購入できることになります。
バイアグラを定期的に服用している男性は非常に嬉しく感じるでしょう。
注意!バイアグラ保険適応は不妊治療保の険診療化の伴う対応
残念ながら、誰でも安くバイアグラが手に入るわけではありません。
バイアグラの保険適応は、「ED(勃起障害)による不妊治療に限る」 と厚生労働省は明記しています。
※不妊とは
妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、1年以上妊娠しないもの
つまり簡単に言うと、
「ED(勃起不全)が原因で不妊に困っている人しか、バイアグラを保険適応できない。」
実は、バイアグラの保険適応は、不妊治療の保険診療化の一部だったのです。
現在、不妊治療は保険適応外です。不妊で悩む夫婦は、高い費用を払い不妊治療を受けています。
ところが、2022年4年から不妊治療が保険適応になります。
ED(勃起不全)は不妊の原因になります。だから、ED薬(バイアグラ、シアリス)が保険適応として認められた。
バイアグラの保険適応には、こういった背景があるのです。
依然定まらない施設要件や処方条件
バイアグラの保険適応は、「ED(勃起障害)による不妊治療に限る」という条件です。
- EDが不妊の原因である証拠は?
- 年齢制限は?
- パートナーと結婚していないといけないのか?
- 不妊治療専門の医師しか処方できないのか?
様々な疑問が浮かびます。
今後処方できる施設要件や、細かい処方条件を定める方針のようです。
厚生労働省からのアナウンスを待つしかなさそうです。
【院長考察】バイアグラ保険適応が世の中に与える影響
厚生労働省がバイアグラを保険診療と認めたことは、世間に対して大きな影響があると思います。
一般的に、”高い安全性” と "高い有効性” が証明されなければ 、厚生労働省は保険診療を認めません。
つまり、厚生労働省がバイアグラを保険診療として認可したと言うことは、
「バイアグラの ”高い安全性” と "高い有効性" を厚生労働省が認めた。」
このように捉えてもよいのではないでしょうか。
この世間へのメッセージが契機となり、ED治療がもっと一般に広がることを私は期待しています。
まとめ
2022年2月2日に厚生労働省からバイアグラの保険適応が発表されました。
「ED(勃起障害)による不妊治療に限る」との条件であり、希望する男性全員が保険適応になりません。
しかし、バイアグラの ”高い安全性” と "高い有効性” を世間にアピールする良い機会だったと考えます。
神戸三宮バッファローEDクリニック 院長